本来、アンテナ工事を行う上で、資格を取ることは義務ではありません。
しかし、アンテナ工事の深い知識を持たない業者も存在するなどといった問題によって、依頼する相手によっては、すぐにテレビが映らなくなったり、施工強度が低くアンテナが倒壊する恐れもあります。
アンテナ工事士のようにアンテナ工事技術を担保する資格もあれば、それ以外にも工事内容によって様々な資格が必要になる場合もあるので、参考までにアンテナ工事に関連する5つの資格をご紹介します。
1
アンテナ工事士
- アンテナ工事実施(地上波デジタル放送受信、BS・CS衛星放送受信、FM放送受信)にあたって実務能力を重視し、かつ顧客満足度の高い技術・コミュニケーション力を提供するために設置されました。
そのため、アンテナ工事業界での一定規格ならびに基準制定のための一般社団法人アンテナ技術保証協会が発行する認定資格となっています。
2
CATV技術者
- アンテナ工事に関連する資格として、CATV技術者(旧有線テレビジョン放送技術者)という資格があります。テレビ放送受信に関する資格では、もっともよく知られたもので、CATVの施工従事者やアンテナメーカー社員などはほぼ必須です。
アンテナの電波受信に関連する知識問題が多く出題され、「受信調査」、「施工」、「システム」、「ブロードバンド」の4科目の合格が必要となります。
3
電気工事士
- 一般財団法人電気技術者試験センターが提供する国家資格の一つです。独占資格と呼ばれる資格であり、電気工事に関してはこの資格を持たないで施工できません。
アンテナ工事を行うときは、ブースター(テレビアンテナの受信電波を増幅する装置)用の電源を確保する工事で、電気工事士が携わらなければいけません。
第二種電気工事士であれば、容易に資格を取れますが、電気工事は、資格所有者が直接工事を行う必要があります。
4
工事担当者
- 一般財団法人日本データ通信協会の電気通信国家試験センターが提供する情報通信に関する国家資格です。アンテナ工事のための資格というより、情報通信線の工事に関する資格です。電話線やLANケーブルなどの接続工事の資格で、アンテナ工事によって関連業務として有資格者が工事に従事することがあります。
AI種(アナログ)やDD種(デジタル)、さらにこの2つにそれぞれ第一種〜第三種まで様々な段階に分かれています。
5
電気通信工事施工管理技士・技士補
- 一般財団法人全国建設研修センターが提供している国家資格です。大規模な電気通信工事(アンテナ、LAN配線、光配線)の現場監督や施工品質管理、設計など、主に管理・監督する能力を認定する国家資格です。2級以上の資格を持っていると、建設業許可の電気通信事業における主任技術者として工事を監督できます。